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テンパとは

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「テンパ処理はすべてのばねに必要な処理です」

テンパ テンパ処理 低温焼きなまし などと言われる熱処理です。材質によって違いはありますが300度から400度程度の熱を与える処理です。

ばねとよばれるものはすべてにテンパ処理が必要です。「押しばね」も「引きばね」も「ねじりばね」も「板ばね」も「その他のばね」も全部です。構造上どうしても無理なものもありますが、「ばねは成形後必ずテンパ処理をする」と覚えておいてください。

特に板ばねは図面にテンパー処理を指示する記載がないものが多くあります。熱処理の工程が増えればコストも上昇しますので熱処理をしていないものも数多く出回っているのも事実です。熱処理をしなくても問題なく作用しているばねも多くあるのも事実です。しかし、板ばねが「へたる」「折れる」の問題が発生している場合はテンパ処理で解決できる可能性があります。

押しばね、引きばね、ねじりばねなどの多くはばね専門業者が製造するため熱処理されていないものが出回る可能性は低いと思います。但し、板ばねは「プレス業者」「板金業者」等、ばね屋でない企業が製造を行うことも多いのです。それらで熱処理炉をお持ちの企業は少ないと思います。よって、出回るのです。ばねはばね屋へ。餅は餅屋です。

ばねは繰り返し荷重に耐えられるものでなければならないのです。そのために、テンパ処理が必要です。これは熱を与え残存応力を除去するものです。耐久性が向上します。

このテンパ処理が厄介なんです。一番は成形後とテンパ後で寸法変化が起こります。ピアノ線を使用した押しばねを外径φ10ミリで成形。それをテンパ処理すると外形がφ9.8程度に縮みます。ステンレスは逆です、大きくなるのです。変化量を見越して成形しなければならないのです。外径が変化しますが、展開長さは変化しません。結果、巻数が変化します。自由高さも変化します。すべての変化を見越して成形の寸法を決めます。それがばね職人なんです。

熱処理炉をお持ちの方も少ないでしょう。熟練者であればガスバーナーなどで簡易的な処理をすることも可能ですが、規定以上の熱を与えるとこれはばねに大きな悪影響を与えます。素人には少し難しいと思います。

そこで提案させていただくのはオーブントースターです。薄板t0.5程度まで、丸線材料径φ1.5程度でしたら成形後オーブントースターに入れてあげてください。20分程度こんがり焼いてください。なかなか300度まで達するオーブントースターはなく規定より低い温度の処理になると思いますが、やるだけでかなり違いますよ。

参考論文  https://www.jstage.jst.go.jp/article/trbane/2013/58/2013_49/_pdf
       (出典:日本ばね学会)

 

 


投稿者:
森本 安宏

専務取締役です。丸線加工と事務処理をメインに作業しております。ホームページからの問い合わせも私が担当いたしますのでよろしくお願いします。